明日もその明日も

非力な爺は茶碗を焼きます。
若い時は、やりたいことは幾つになっても出来るなどと言っていましたが、
気付いたら茶碗を焼けるだけの爺でした。

「陶工」と呼ばれるには、いささか「熟練が足らない」。
「陶芸家」なんて「器で無い」し、だいいち心底こそばゆい。
「陶術使い」はいかがかな。「爺流陶術」なんて看板を掲げてさ。
「魔法使い」があるのだから「陶法使い」でもよさそうだが、
「法」と威張れるほどの「体系」は持ち合わせ無し。
やはり「陶術使い」がいいな。

そんなこんなで、出来る事して生きていきます。
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きのうのつづき

こんにちは。
今日は昨日の続きです。当たり前ですがまたアップしたのでお知らせまで。

下の茶碗、直線的で、若い人好みのフォルムです。
それでいて景色が際立っているわけでなし、
それなのに、窯出し以来なんとなく手にとってしまう。

思い出しました。静嘉堂文庫で「越後」という銘の大井戸を見つめていたことを。
もう10年以上前のことでしょうし、そのころ井戸は焼いていませんでした。
美濃陶が好きで、入れ込んでいました。
なぜ「越後」を見つめていたかというと、釉肌が黄瀬戸そっくりに見えたからです。
もちろん「そっくり」といっても違いはあるのですが、
名品黄瀬戸の油揚げ肌をしていたのです。

どうしてこの茶碗を手にしてしまうのか。答えは油揚げ肌でした。
内外ともじんわり焼きあがっていているのです。
ついつい手を伸ばしてしまう理由って、それでした。

ただし、写真ではお伝えしきれませんね。大井戸茶碗12番です。

大井戸茶碗


もう一碗アップしました。
こちらはノッポ形。

実はロクロ引き中にたくさん出来てしまう形です。
今まで焼かずに壊してきましたが、
壊さずに焼いてみた結果がこれです。
あんがい李朝の雰囲気を出すのですね。
大井戸茶碗13番です。

くれぐれも既成概念に囚われてはいかんとなと、
爺の固まった頭をもんでいます。

井戸茶碗

爺のHPはこちら

時が必要

窯出しするたびに、実は爺も愕然となるのです。それも毎回。
HPページに自信たっぷりに書いているのとは裏腹に、
そうです、毎回毎回ガックリくる爺なのです。

焼物は自然の摂理にちょっとだけ自分の作業をお邪魔させているだけです。
何十年わかりきったことなのに、窯出しのたびに、不運を嘆く爺がいます。

何事にも時間が必要なのですね。
一週間もすると、窯焚きの「ねらい」を忘れてしまいます。
焼き上がった茶碗だけを見つめます。
自分勝手な「思い」が消えてくると、「あれぇー、これもそこそこだなぁー」。

大井戸茶碗 カイラギ

というわけでアップを始めました。
とりあえず今日の一碗は喜左衛門似の大井戸です。

爺のHPはこちら

久々にアップしました。

今年に入って始めての窯出しになります。
何度も途中で首をかしげ、やり変えた結果です。

結果は爺のHPにてご覧ください。

渋みが増しました。
焼物屋的に言えば「渋みが増す方法を知った」と言うのかな。

大井戸茶碗10
この大井戸は形がいいでしょう。
大井戸のロクロ引きは爺には難しく、
狙い通りに作れません。
焼きあがってからのチョイスです。
井戸茶碗9・カイラギ
こちらは別の井戸茶碗の高台です。
地味なカイラギをしているから、かえって侘びているのかな。

そんなこんなの四碗をアップしました。

明日は乞うご期待か?

昔お世話になった方を思い出しています。
四十年も前のことですが、場面場面は鮮明です。
これが老いというものなのかな。
センチメンタルに浸ります。
ともかくありがとう。支えてくださったあの方へ。

もっとも今だって家人の支え無しに生きていけない体。
ずーっとお世話になりっぱなしの極楽爺です。
だもの、なんとか井戸茶碗を完成させたいね。
けれど、あと数歩が届かない。
もどかしいのに届かない。

届かないついでに新作をアップしよう。
もう2ヶ月更新を怠っているものね。
明日は撮影をしてね。急いでアップしよう。
古作には程遠い出来だけど、作り手はすでに古作。
孫の創作を読んで思わずはまり込んでしまうもの。

奇妙奇天烈な文章で困惑させる孫のブログはこちら

花粉まみれの粉屋

井戸茶碗を試作してから、ますます原材料の加工が増えてしまって、
頚椎ヘルニア、腰痛症、膝痛症の爺にはきつい作業ばかりです。

よりにもよって、この季節、すべての材料を使い切ってしまいました。
寒いのでままならないですが、
それでも日照があれば、カオリンの原土を乾かして、
乾けば叩いて粉にします。
硬いものはスタンパーが頼りです。
でも機械は重いので準備作業が大変です。

と、愚痴っても実際は健康な姉が大部分を片付けてくれます。
でも姉は爺より婆というわけなので、先が思いやられます。
何段階か篩分けして、希望の粒度のものに揃えます。
さて、中間の粒度のものはどうしよう。
今までは人力に頼って石臼で叩いていたけれど、今回は量が多すぎる。
ミル機で回すことにしました。
そしたら、ミル機が壊れてしまい、修理をしようとしたら工具が壊れ、
ホームセンターへ行くはめに。

その間、花粉の猛攻撃にさらされて、爺は虫の息。いやクシャミの翁。
早めに仕事を切り上げて、熱っぽい(熱は無い)体にボーッとなりながら、
俺は焼物屋の前に粉屋なんだと妙に納得した次第。
花粉にも粉という字が付いているしね。

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Author:iorijiji
井戸茶碗陶術遣い

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