いそがしい。いそがしい。

釉掛け呉器

ブログ更新遅くなりました。
十数年ぶり、忙し最中の我が家です。

これから焼成が始まるのは、
井戸・呉器系、古染付け、黄瀬戸、それに実験中の磁州窯手。
それぞれがはんぱない量で窯詰めを待っています。
9月はひっきりなしに焼かねばならなそうです。

ここ数日になって、ようやく交通整理が出来てきました。
びっしりとすき間無いスケジュール表を見ると、
老人の目は眩みます.
今は亡き親友がよく言っていたっけ。
「座っているのに立ち眩み」と。
彼よりずいぶん歳をとった以織になってしまいました。
会いたいな。また古美術と俳句の話を聞きたいな。

上の画像は釉薬を掛けたばかりの生の呉器です。
ね、指跡がついているでしょう。
以織の焼物は基本的に「生掛け」といって
素焼きをしないで生素地に直接、釉薬を掛けます。
危険ですが、そのぶん焼成後の表情が豊かになるんですよ。

                 よれよれ爺より



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「必要は母」なり。

呉須搔き落とし1

上の変哲もない画像、以織にとっては大成功なのです。

この技法「呉須絵搔き落とし」とでも呼ぶのでしょうか。
呉須で塗りつぶした後、針で表面を削り落として描画したものです。
さして珍しくもなく見えますが、画像のように焼き上がることはないのです。

恩人・仲森氏と共同で始めた呉須染付けの世界。
仲森氏は絵師役。以織は焼き役。
ところが二人して磁器は未開の分野です。
仲森氏が描いてくださった可愛らしい意匠を見て思いました。
「これは焼けない。どうすべぇ。」
でも焼いてみなければわかりません。
で、姉に仲森技法の搔き落としで描いてもらって焼いたのが次の画像です。

呉須搔き落とし2

やはり。呉須を引っ掻いて描画したはずが、
細い線はすべてつぶれてしまいました。「どうすべぇ。」

普段使いの昭和初期作かと思われる磁器小皿に、
この技法を使ったものがありました。
何枚かあるのですが、この皿の絵が一番見やすいので載せてみます。

呉須搔き落とし3

画像処理をして見やすくしてもこの程度です。
何やら山水らしき画が、
搔き落とし技法で表されているけれど、よくわかりません。
薄い呉須を使うことで、なんとか表現させたいことがうかがえます。

でもね。濃度の濃い呉須でも、搔き落としの針の線を表したいでしょう。
「必要は発明の母」とは名言ですね。
ある日ある方法を思いつきました。
「こんなにうまくいくとは思わなかった」けれどね。
ただし、これは陶器の温度域にて焼いたもの。
磁器の高温でのテストはまだです。高温ではダメかもしれません。

でもでも大成功なのです。
これは長年追いかけてきた「磁州窯手」に決着をつけてくれそうだから。
5年ほど前から、焼きは以織。絵付けは加津子姉といつもの分担をして
磁州窯手を追っかけてきました。
そして、次の画像までこぎ着けました。

磁州窯ウサギ


ほとんど成功しているみたいですが、
実は最後の一歩がわからずじまいでした。
この可愛いウサギの小皿はうまく焼けましたが,
ものすごく不安定で歩留まりが悪いのです。
コストも手間も普段焼いている陶器の倍は超えます。
1000年前の北方中国の民窯で焼かれたものとしては、
もっと低コストの焼物でなければならないはずなのに、
ずっと悩みの種でした。

でもね、今回の表現方法を手に入れたことで磁州窯手に手が届きそうです。
久しぶりに以織にはうれしいことでした。

消化不良

いえいえ、お腹のことではありません。

作業場にもいっぱい。離れの六畳もいっぱい。母屋の一部屋も。
作品を焼くにも実験をするにも重宝していた小型窯の断線で、
10日ほど窯焼き予定に遅れがでました。
そのお蔭で、ロクロ引きの時間が増えたものだから、
乾燥中作品で溢れ出した我が家です。

姉の黄瀬戸焼成がもうじき終了します。
黄瀬戸は80時間ほどかかるので、なかなか次の焼成に進めません。
それなのに、思いつくことが沢山あって、
実験途中で宙ぶらりんのものも。
なので、何を期待していたか忘れてしまう以織がいます。

でも15日の共同作業用の作品はたくさんストックしてあります。
新しい実験作のため、
わざわざ絵師さんが来訪してくださることになっています。
いつもよりかなり厚いロクロを引かねばならない作品のため、
期日までの乾燥が気になりましたが,
台風前の猛暑が幸いして乾いたようです。
絵師さんの到着が楽しみです。

手の届きそうな困難に以織は燃えますが、
手を染めてみると、とてもとても届かない困難であることを痛感します。
とは言え、口に出したことはなんとかせねば。

白髪だらけの結果は見事に出ているのですが。     じじ以織

                       
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Author:iorijiji
井戸茶碗陶術遣い

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