掘りの手ではありません。



掘りの手と呼ばれるものは、昔々、窯場で不良品が捨てられて,
土の中から発掘されたものを指すのだけれど、
まあ何百年も埋もれていたわけだし、まして不良品だから概して汚い。
けど写真の茶碗は汚いけれど新作なんです。
織部黒と呼ばれる手です。

窯出ししたばかりなのにこの汚さ。
もうずいぶん黒い織部は試作しているのだけれど、
まだ釉薬と焼き方がはっきりしない。
この耐火度でこの焼き方というのが掴めない。
今回はますます低温で焼いてみた。
低温では溶けが悪くなるので、長い時間焼く。
三日目にして真っ赤に焼けている器を
窯から引出して水に浸ける。急冷する。
引出し黒と呼ばれる黒色を引き立たせる技法だ。

h28_2_kuro_2.png

ほら、後ろは溶けきれず鈍い発色。小さなブクまで吹いている。
けど、負け惜しみを言わせていただこう。
こうして遠回りな試作を続けた方が色んなことが判って来る。
経験こそが財産なんだ。
他人様のレシピで焼くのも合理的には違いないけど、
自家薬籠中のものには育たないね。

けどやっぱり遠吠えかな。

h28_2_kuro_3.png



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井戸茶碗陶術遣い

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