試し焼きの結果です。(前回の続き)

h26_10_大井戸

h26_10_大井戸高台

はとりさん、コメントありがとうございます。
なのでアップした次第です。

昨年、東京の有名なお茶道具屋さんお二人からご指摘をいただきました。
「カイラギは少しあればいい」。
「えぇ!」カイラギを目指して10年以上やってきて、
カイラギが出るようになったら、少しでいいとは。うーん。

以後、釉薬を調整しながら
「何の変哲もない井戸茶碗」を目指して焼いています。
その一連の作業の一環が前回までご紹介した粘らない土でした。

その粘らない「ほとんどカオリン」でロクロ引きした試作品の
焼成結果が上の画像です。
確かに、狙えば少ないカイラギになるものですね。

ただ少し焼きがオーバー気味ですね。
今までの焼成カーブと同じように焼きましたが、
想像していた通り。釉薬がよく融けました。
想像が当たるのはちょっぴり嬉しいです。

「ほとんどカオリン」素地土は今までの素地土より
耐火度がアップした模様。
釉薬は同じなので、
素地土の耐火度が上がると釉ガラスの融けがよくなります。

伝世の井戸茶碗の「良さ」に口当たりと、抱き心地があるそうです。
ロクロ作業の困難さを受け入れて、
粘らない土(ほとんどカオリン)へと向かってきた理由に、
上の口当たりと、抱き心地があります。
すっかり釉薬は融けているのに、
内部、つまり素地土に柔らかさを感じます。
確かに、口当たりは柔らかだし、抱き心地もいいのです。

で、その事が井戸の特徴のひとつである魚子貫入につながるのかな、
と、近頃思えます。
この一年、冒頭の事を考えながら焼いてきた井戸茶碗には
貫入が出ませんでした。
「ダメなのかな」と使用してみたら、魚子貫入が生まれてくるのです。

逆に、上の画像の大井戸には焼き上がりから細かい貫入が入りました。
でも、その貫入は魚子貫入の形をしていません。
貫入の出ない今までの素地土と、大幅に成分が変わったわけではないのです。
今までだって、カオリン量はずいぶんと多目でしたから。
なので、画像の茶碗も試用する事にしました。

大きな湯呑みと心得て、食前食後、おやつの時間、煎茶を飲みます。
するとまだ4〜5日なのに見込み側の口縁近くに魚子貫入の種が出てきました。
それで思うのですが、
カオリン質の素地土は焼きしまらないまま釉下にあって、
釉ガラスの貫入やピンホールからしみ込んだ水分によって
使用するごとに若干膨張を繰り返すのではないか。
それが魚子貫入を生む原因かもしれないぞ、と。

けれど、「何の変哲もない」茶碗でありながら、
お茶人を魅了する茶碗となると、あーぁ。難しい!難しい。

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井戸茶碗陶術遣い

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