実験窯が大破損



もう30年以上、焼物に携わっているのにこの始末。
アホな爺をお笑いください。

大切な実験用の窯を壊しました。
修理にずいぶん時間がかかるだろうなぁ。
焼成中、沸騰した釉種が窯内に飛散して、
そればかりか大量に流れ出し、
床は釉ガラスで覆われました。
ヒーター線もガラスに覆われて交換せねばダメ。

今年に入ってから壊した窯は2台目になります。

こうまでしても知りたいことがあります。
手持ちの資料にもネットにも答えがありませんでした。
なので実行あるのみ。
しかし、この釉種を何度で焼いたらいいのかわからない。
前回は生焼け、今回は焼き過ぎ。
こうして失敗を続けるより答えは出ません。

「因果な商売だなぁ、焼物屋」

トントントントン



突いても突いても、まだまだトントン。
花粉にさらされながら一日中トントントン。

自家製長石を砕いています。
テスト試薬なのでスタンパーで突くほど量がありません。
なので手作業です。
昔の工人も、きっとこうだったんだろうなぁ。

どうにもわからない問題の解決のため、
思いついたことをこなしています。
遠回りの人生を強要されるのが
陶芸に携わってしまった宿命と思い定めて。
爺だからこんな簡単軽作業でも筋肉がきしみます。
この作業の果てに、どんな結果があるのだろう。
突いても突いても、ほらまだまだ。

h29_3_17b.png

掘りの手ではありません。



掘りの手と呼ばれるものは、昔々、窯場で不良品が捨てられて,
土の中から発掘されたものを指すのだけれど、
まあ何百年も埋もれていたわけだし、まして不良品だから概して汚い。
けど写真の茶碗は汚いけれど新作なんです。
織部黒と呼ばれる手です。

窯出ししたばかりなのにこの汚さ。
もうずいぶん黒い織部は試作しているのだけれど、
まだ釉薬と焼き方がはっきりしない。
この耐火度でこの焼き方というのが掴めない。
今回はますます低温で焼いてみた。
低温では溶けが悪くなるので、長い時間焼く。
三日目にして真っ赤に焼けている器を
窯から引出して水に浸ける。急冷する。
引出し黒と呼ばれる黒色を引き立たせる技法だ。

h28_2_kuro_2.png

ほら、後ろは溶けきれず鈍い発色。小さなブクまで吹いている。
けど、負け惜しみを言わせていただこう。
こうして遠回りな試作を続けた方が色んなことが判って来る。
経験こそが財産なんだ。
他人様のレシピで焼くのも合理的には違いないけど、
自家薬籠中のものには育たないね。

けどやっぱり遠吠えかな。

h28_2_kuro_3.png



まずは黒から



平成29年の初試焼きは引出黒からです。
まずまず融けてくれました。
漆黒の部分と、やや釉薬の薄いところは飴釉の色。
これも狙った通りだったので、さい先がいいですね。

h29_1_15_kuro2.png

ただし意識して黒釉を厚掛けした部分はブクを吹いて、
触ると細かに割れて取れてしまいました。
試験窯が小さいので炎に偏りがあるせいかもしれません。

薪窯の昇温を参考に低温をひっぱって長く焼いたせいでしょう、
露胎の土味は柔らかです。
ただしもう少し画像の発色よりグレーです。

h29_1_15_kuro3.png

26日から西荻「ギャラリー壽庵」にて



11月26日(土)〜12月4日(日)まで
東京西荻、伊勢屋美術「ギャラリー壽庵」にて
「以織井戸&その仲間達展』(仮称)開催です。

今年はいわば「以織窯一門展」です。
以織井戸にはじまって、加津子の黄瀬戸鉢、
そして客分絵師・少白絵付けによる茶盌、
それに独立した窯を持つ加津子の息子・正樹も加わって
新作をご披露いたします。

画像は以織作の大井戸茶盌です。

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Author:iorijiji
井戸茶碗陶術遣い

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