掘りの手ではありません。



掘りの手と呼ばれるものは、昔々、窯場で不良品が捨てられて,
土の中から発掘されたものを指すのだけれど、
まあ何百年も埋もれていたわけだし、まして不良品だから概して汚い。
けど写真の茶碗は汚いけれど新作なんです。
織部黒と呼ばれる手です。

窯出ししたばかりなのにこの汚さ。
もうずいぶん黒い織部は試作しているのだけれど、
まだ釉薬と焼き方がはっきりしない。
この耐火度でこの焼き方というのが掴めない。
今回はますます低温で焼いてみた。
低温では溶けが悪くなるので、長い時間焼く。
三日目にして真っ赤に焼けている器を
窯から引出して水に浸ける。急冷する。
引出し黒と呼ばれる黒色を引き立たせる技法だ。

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ほら、後ろは溶けきれず鈍い発色。小さなブクまで吹いている。
けど、負け惜しみを言わせていただこう。
こうして遠回りな試作を続けた方が色んなことが判って来る。
経験こそが財産なんだ。
他人様のレシピで焼くのも合理的には違いないけど、
自家薬籠中のものには育たないね。

けどやっぱり遠吠えかな。

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まずは黒から



平成29年の初試焼きは引出黒からです。
まずまず融けてくれました。
漆黒の部分と、やや釉薬の薄いところは飴釉の色。
これも狙った通りだったので、さい先がいいですね。

h29_1_15_kuro2.png

ただし意識して黒釉を厚掛けした部分はブクを吹いて、
触ると細かに割れて取れてしまいました。
試験窯が小さいので炎に偏りがあるせいかもしれません。

薪窯の昇温を参考に低温をひっぱって長く焼いたせいでしょう、
露胎の土味は柔らかです。
ただしもう少し画像の発色よりグレーです。

h29_1_15_kuro3.png

26日から西荻「ギャラリー壽庵」にて



11月26日(土)〜12月4日(日)まで
東京西荻、伊勢屋美術「ギャラリー壽庵」にて
「以織井戸&その仲間達展』(仮称)開催です。

今年はいわば「以織窯一門展」です。
以織井戸にはじまって、加津子の黄瀬戸鉢、
そして客分絵師・少白絵付けによる茶盌、
それに独立した窯を持つ加津子の息子・正樹も加わって
新作をご披露いたします。

画像は以織作の大井戸茶盌です。

少白氏絵付け茶碗



昨年、少白氏とのコラボは染め付けでした。
今年は土物に挑戦です。
5月7日、少白さんが来訪くださって今年最初の絵付けを完了。
それを今日窯出ししました。

少白氏の狙いはご覧の通り「乾山風」絵付け。
以織の狙いは乾山の柔らかい焼き上がりを本焼きで表現すること。
本歌の乾山は楽焼き釉を使った低火度の焼物です。
なので中身はグズグズと聞いています。
(乾山さん、それが間違っていたらごめんなさい。)
以織の焼きはあくまで中火度。一般の陶器です。
ですから水は漏りません。陶器ならではの水は浸みますけど。

h28_5_syouhaku2.png

とこんな具合に、テスト焼きが始まりました。

遅れバセながら、ろくろバセ。



二ヶ月ぶりです。やっとこさ復帰です。
写真は手回しロクロを回すための棒です。
「ロクロばせ」の名があります。
ロクロ天板の端にあけられた穴に、この棒を差し込んで
手動でロクロを回します。
回転が緩くなったら、また回します。
そうやって器の水引きをします。

電動の時代に時代遅れとお思いでしょうが、
手動の方がずっと有用です。
多くの電動は低速でもモーターの回転力があります。
そこへいくと、手回しは回転とともに回転力も落ちます。
なので無理な造形になりません。
作り手の気持ちがより伝わると思い込んでいる爺です。
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Author:iorijiji
井戸茶碗陶術遣い

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